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7：30
バレンタインデーの時期になると、教え子の一人の女の子のことを思い出す。
30歳過ぎ、6年生の担任だったとき、バレンタインデーの前日に「学校にはチョコレートなどを持ってきてはいけません」と指導をした。
「えへぇ〜」「放課後ならいいですか？」との質問に、「それは自由です」と言った。
翌日教室で仕事を終えて職員室に戻ると、私の机の上にはチョコレートが山積み。
殆どがクラスの女子からだったが、一人だけなかった子がいた。
大人しく少し奥手で、私が担任する前はいじめに遭っていたという子だった。
他の女子たちから除物にされたというのではなく、バレンタインデーなど発想になかったのだろう。
チョコレートをくれた子たちよりも、その子のことが気になった。
ひと月後のホワイトデー、子どもたちの期待に応えて？、お返しをしなくてはいけない。
チョコレートをくれた女子たちだけでなく、もちろんくれなかった女の子や男子も含めて全員に菓子を配った。
「学校にお菓子など持ってきてはいけません」というルールを破って・・・
その出費も痛かった・・・
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